※本記事は過去データに基づく分析であり、的中や利益を保証するものではありません。馬券の購入は自己責任で、余裕資金の範囲でお楽しみください。
競馬の予想で最初にぶつかる問いは、たぶんこれです。
「1番人気って、結局買えばいいの?」
答えは「当たりやすさ」と「儲かりやすさ」を分けて考えると見えてきます。この記事では、一般に公開されている長期の成績データをもとに、1番人気という存在を整理してみます。
1番人気は、確かによく走る
中央競馬の長期集計として広く知られている水準では、1番人気の勝率はおおむね3割強、3着以内に入る複勝率は6割台とされています(年度によって多少の変動があります。正確な数値は各年のJRA公式データ等でご確認ください)。
つまり3回に1回は勝ち、3回に2回近くは馬券圏内に来る。これだけ見ると「1番人気は強い」という直感は正しいことになります。
それでも回収率は100%を下回る
ところが、1番人気の単勝を淡々と買い続けた場合の回収率は、長期では80%前後に落ち着くことが知られています。よく走るのに、買い続けると負ける。この差を生んでいるのがオッズ、つまり「みんながいくら賭けたか」です。
1番人気は注目が集まる分、実力以上にお金が集中しやすい。実際の勝率が33%の馬でも、オッズが2.0倍(=市場が50%勝つと見積もっている状態)まで売れてしまえば、期待値はマイナスです。
このように、人気による過剰評価・過小評価の偏りは「フェイバリット・ロングショット・バイアス」という名前で研究されてきたテーマでもあります。市場は概ね賢いけれど、完全ではない。その「完全ではない」部分にしか、控除率を超えるチャンスは存在しません。
「消す」という発想
当サイトが注目しているのは、この過剰評価の側です。
「どの馬が来るか」を当てるのは難しい。でも「実力以上に売れている人気馬が、馬券圏内を外すケース」には、データ上のパターンがあります。急激なオッズ短縮、展開上の不利、人気を裏付ける材料の弱さ。こうした特徴を組み合わせて、「飛ぶ可能性が相対的に高い人気馬」を推定するモデルを筆者は運用しています。
人気馬を1頭消せると、何が起きるか。3連系の馬券では組み合わせ点数が大きく減り、しかもその人気馬に集中していたお金が外れた場合の配当は跳ね上がります。当てにいく予想と、消して効率を上げる予想は、似ているようで別の技術です。
このブログでやっていくこと
今後、このブログでは筆者のモデルが出した「消し候補」と、その結果を継続的に記録していきます。当たった週も、外れた週も、同じフォーマットで。
予想の価値は、的中を叫ぶ声の大きさではなく、記録の透明性で決まると考えています。
(次回は、モデルの中身——なぜ機械学習で「着外確率」を推定するのか、精度をどう測っているのか——を、数式を使わずに解説します。)