競馬でも株でも、初心者がほぼ確実に通る勘違いがあります。
「当たる回数を増やせば、勝てるはず」。
残念ながら、これは違います。的中率9割で資金を溶かす人もいれば、的中率3割で増やし続ける人もいる。両者を分けているのが「期待値」という考え方です。このブログのすべての記事はこの一点の上に立っているので、最初にきちんと説明しておきます。
期待値とは「1回あたりの平均損益」
期待値は難しい概念ではありません。「その賭けを無限に繰り返したとき、1回あたり平均していくら増減するか」。これだけです。
例を2つ並べてみます。
- A: 的中率90%、当たると1.1倍になる賭け
- B: 的中率25%、当たると5倍になる賭け
Aの期待値は 0.9 × 1.1 = 0.99。100円賭けるごとに平均1円ずつ減っていきます。9割当たるのに、やればやるほど負ける賭けです。
Bの期待値は 0.25 × 5 = 1.25。4回に3回は外れるのに、100円あたり平均25円増えていく賭けです。
的中率は気持ちよさの指標であって、収支の指標ではない。収支を決めるのは「当たる確率 × 当たったときの倍率」の積だけです。
では、期待値の高い賭けはどこにあるのか
ここからが本題です。競馬のオッズも株価も、「みんなの予想」が織り込まれた価格です。もし市場の見積もりが常に正確なら、どこに賭けても期待値は控除率・手数料のぶんだけマイナスになり、勝ち目はありません。
つまり期待値がプラスになる場所は一つしかない。「実際の確率」と「価格に織り込まれた確率」がズレている場所です。
- 実力以上に売れている人気馬は、期待値が低い。だからその馬を「消す」側に回ると、相対的に期待値が上がる
- 統計的に反発しやすい局面で、恐怖から売られすぎた株は、一時的に期待値がプラス側にズレている可能性がある
筆者が競馬で「消し馬」に、株で「-2σからの反発」に注目しているのは、どちらも「市場の見積もりが感情や注目度で歪みやすいポイント」だからです。題材は違っても、やっていることは同じ。歪みを探して、記録して、検証する。
期待値思考の3つの実践ルール
- 1回の結果で判断しない。 期待値プラスの賭けでも普通に外れます。評価は最低でも数十回の記録が貯まってから
- 記録を全件残す。 記憶は都合よく編集されます。負けを含む全記録だけが、期待値の実測値を教えてくれます
- 賭け金を管理する。 期待値がプラスでも、1回の負けで再起不能になる賭け方では、無限回の試行にたどり着けません。破産しないことが大前提です
このブログの立ち位置
db-noteは「当たる予想」を売り込むサイトではありません。「この条件で賭け続けたら、実際どうなったか」という検証記録を積み上げるサイトです。
派手さはありませんが、期待値というものさしを持った人にとっては、声の大きい的中自慢よりずっと役に立つはずです。そういう読者に届くことを願って、記録を続けていきます。
※本記事は確率・統計の一般的な考え方の解説であり、特定の投資行動や馬券購入を推奨するものではありません。競馬・投資はいずれも自己責任・余裕資金の範囲でお楽しみください。